スポンサーサイト

  • -
  • 2014.02.15 Saturday

一定期間更新がないため広告を表示しています






週刊ロバビル・最終回(7月2日)


himaar HP  http://himaar.com/



週刊ロバビル・最終回


ロバビルから、こんにちは。


イベント出展の申し込みをするとき、いつもちょっと気になっていたことがあります。

応募条件としてよくある「生業としている、生業とすることを目指している人」という記載。

手創り市の場合だと、“雑司ケ谷”や“&SCENE”にはありませんが、“A&C静岡”にはありますね。


「生業」という言葉が気になる。

意味を調べてみると「生活を営むための仕事、生計を立てていくための仕事」とあります。

シンプルでわかりやすい。

確かに、まあ、そうだとは思う。

でも、なんとなく違和感も覚える。

どこがどうとうまくは言えないのですが、たとえば「生計を立てていくための仕事」といった

場合と、「その仕事で生計をたてていくこと」といった場合とでは、なにかが違う気がしてし

まう……しませんか?

どちらも同じ「生業」ですけど……。


さて。

革小物をつくっている私たちですが、革小物製作は生業のひとつではあるけれど、それだけを

生業としているわけではありません。

東京にいたときからデザイナーとライターとして仕事をしていたし、こちらへ来てからは店も

やっている。

今後、革小物製作だけを生業とすることを目指しているかと聞かれたら、目指していません。

革小物製作だけを生業として夫婦二人が食べていくには、現状のやり方(夫一人で手作業・手縫

いで製作する方法)を変えなければ無理だと感じていて、でも、そうはしたくないからです。

むしろ、現状のつくり方やペースを変えずにこれからもつくり続けていけるように、店をはじめ

るなどほかの収入手段を増やしていると言えるかも。

趣味でつくっているつもりはまったくないのですが、生計を立てていくためにつくっているとも

言い難い……つくり続けていきたいとは思っているけど。

これって「生業」と言っていいですか?

趣味だ、と言われたら……どうしようかなあ。


ところで。

「生業」はひとつじゃないと駄目なんでしょうか。

いくつかあってもいいですよね。

自分の作品づくりだけで生計を立てていくというのは、そりゃあできたらいいけど、かなり難し

いことです。

それだけで生計を立てているように見える著名な作家さんでも、よくよく考えてみたら、店を

やっていたり、雑誌や本に文章を書いていたり、商品のプロデュースをしていたり、自分自身の

手による作品づくり以外のことで収入を得ている人は多いように思います。


そんなふうに著名な作家さんが、店をやっていたり。

自分の作品づくりをしている人が、同じジャンルでものづくりのアルバイトをしていたり。

それとは直接関係のないアルバイトをしていたり。

会社に勤めていたり。

妻として家事や、母として子育てをしていたり。

そこに違いがあるとは、私たちは思いません。


夫の経済的支えがある妻のものづくりは趣味と言われがちで、妻の経済的支えがある夫のもの

づくりはあんまりそうは言われない気がしますが。

そこにも違いがあるとは、私たちは思いません。


生計を立てているかどうかが、必ずしも、ものづくりと真摯に向き合い誠実なものづくりをして

いるかどうかと、比例しているとは思わない。

さまざまな作り手に出会い、知り合って。

それだけで生計を立てていなくても、それだけで生計を立てていくことを目指していなくても、

趣味でつくったものを法外に安かったり高かったりする値段で売るんじゃなく、中途半端なもの

をつくって売りっぱなしにするんじゃなく、ちゃんと対価を受け取るものであることを自覚し

て、責任あるものづくりをし、責任をもって売っている人はいると感じています。


「生業」としているか、目指しているかは、そのものづくりへの姿勢を知るひとつの手段では

あるかもしれないけれど、出展の資格があるかどうかを分ける絶対の条件ではない気がします。

そして、やりたいこと・つくりたいものがあるから独立して個人でものづくりをしているはず

なのに、「生業」とするためにやりたくないこと・つくりたくないものばかりを受け入れること

になるなら、本末転倒じゃないかと思います。


みなさんはどう思われますか?


と、投げっぱなしにしておいて、最終回です!

長い長い文章を、毎週、1年間にわたって読んでくださり、本当にありがとうございました。


それでは、またいつか、どこかで! ロバビルで!!

ロバビルからでした。



最後の写真を撮影してくれたのは、テスト期間中なのに店でナウシカや深夜特急を読んで
しまっていた、Sくん。 


最後にきましたね。生業のこと。

私にとって生業とは単に生計をたてる為だけではないと思うのですが、それはまた別の機会に。

himaarさんによる、1年間の連載記事をご覧になってくださった皆さま、有り難う御座いまし

た。そしてhimaarのお二人、作家活動をしながら、お店をしながら、などなど忙しく立ち回る

日々の中で感じた事、積み重ねてきた事を連載と云う形で書いて頂き本当に有り難う御座いま

した。名倉



※週刊ロバビルは今号で終了となりました。

 1年間ご覧頂きありがとうございました。









週刊ロバビル・6月25日号


himaar HP  http://himaar.com/



ロバビルから、こんにちは。


ラスト2回にして、書けなくなっております……。

書こうかな、と思っている話題はあるのですが、書くにはちょっと頭と体力を使う内容でして。

じつは、先日の「1周年お礼の会」を終えてから、なんだか気が抜けたみたいになっている

我々なのです。


会の翌日から、ごくふつうに、いつも通りの店の日々があって、「月1ヨガ」やら「読書会」

やら。

スタッフとして参加することになった秋のイベントの顔合わせ会があったり。

7月に開催する「アイルランドのイベント」や「切り絵展」に向けて、食器類を探したりDMを

つくったり。

むしろいつもより忙しいくらいに動いているのですが、なんというか……すかっとしない。

もしかして、これって「疲れている」ってことなんだろうか?


文章を書くのは、かなりのエネルギーを使う作業です。

編集者をしている知人が言ってました、「作家は、文字通り身を削って作品を書いていると

感じる」と。

作家じゃないけど、ホント、そうだそうだ、と思います。


なので、これまでにも書こうと思いつつ、書くエネルギーがなくて、比較的ラクに書ける無難な

内容でお茶を濁した回も数知れず……すみません。

そして、貴重な残り2回の1回がまたまたこんな感じで、すみません。


さあ、次回の最終回に向けて、力をつけておくぞ!

乞うご期待!!


そんなわけで、また来週。

ロバビルからでした。


写真は本文とは関係なく。新規事業(?)に向けて着々と、準備という名の浪費を進めており

ます。さて、これらはなんでしょう?




音響機器と、シルクスクリーン?

???

なにがはじまるんだろう、ロバビルで。


最終回を是非ともお楽しみ下さい!! 名倉



※週刊ロバビルは次回で最終回となります。










週刊ロバビル・6月18日号


himaar HP  http://himaar.com/



ロバビルから、こんにちは。


店をはじめて、1年がたちました。


開店前、何人もから「岩国でそんな店やってもお客さんは来んよ」と言われ……。

開店してからは初対面のお客さんにまで「がんばって長く続けてください」と言われ……。

先日は近所の小学生から「“閉店”1年目おめでとう!」(おうちの人が気づいて「開店」に書き

直してくれたけど・苦笑)と書いたカードをあやうくもらいそうになり……まあ、それは笑い話

として。


周囲の声を気にする私たちではありませんが。

ただ、「ほらね、やっぱり岩国でやってもダメなんよ」と言われる例を増やすことはしたくない。

後続のためにも、「岩国でもやっていけるんじゃね」と言われる例でありたい。

なので、1年は区切りでも目標でもないけれど、ひとまず、早々に店をたたむことなくやって

これたこと、そしてこれからもまだやっていけそうな開店1年の今を、よかったなあと嬉しく

思っています。


最近では、顔なじみのお客さんが毎日誰かしら来てくださるようにもなりました。

買物のついでに、仕事帰りに、仕事をさぼり(!)に、休日を過ごしに。

コーヒーでひと息ついて、本を読んだり、ときどき一緒におしゃべりしたり。

そんなふうに通ってくださるお客さんにとってウチの店は、もしかしたら生活の一部になって

いるのかも、と、ふと思ったら、ふしぎな気持ちになりました。

“おまけ”ではじめた喫茶だけど、喫茶をやっていなかったら、ここまでお客さんと交流すること

はなかったかもしれない。

正直やめてもいいかなあと考えたこともある喫茶だけど、やっぱり続けていこうと今は思い

ます。


ちょうど1年を迎えた日、店に協力してくださっている近隣在住の作家さんや自転車屋さん、

ワークショップで講師をしてくださっている方々、そのワークショップに参加されているお客

さんたちをお招きして、お礼の会を開きました。

これから飲食店をやろうと計画している20代のお姉ちゃんと弟くんのコンビに料理を頼み、

まもなくお菓子の工房を開く妻の妹にスイーツを頼み、ふだんは喫茶にないビールやワインも

用意して。

初めて会ったあの人とこの人が話を弾ませていたり、余興も何もない集まりなのに

「たのしかった」と言ってもらったり、会が終ってから料理とお菓子を担当してくれた子たちも

「たくさんの人が“おいしかった”と言ってくれた」と嬉しそうに話してくれて、そんな誰かの

たのしさや嬉しさが、自分たちのたのしさや嬉しさになるんだなということが再認識できて、

とてもいい日になりました。


遠くの作家さんたちはお招きできませんでしたが、この場をお借りして、お礼を伝えたいです。

どんな店になるやらわからないときからご協力いただき、本当にありがとうございます!

そして、この連載を読んで、ロバビルの事を少しでも気にかけてくださっているみなさんにも。

ありがとうございます!!


2年目もマイペースでたのしくやってまいります。

よろしければ、どうぞ一緒におたのしみください。


それでは、また来週。

ロバビルからでした。


写真は、会のときに「自由に撮影してください」と札を付けたカメラを置いてみなさんに撮って

もらったら、なぜか早々に“変顔撮影大会”になっていて、笑えるけど載せられない写真ばかり

だった(苦笑)……ので、会のようすはご想像いただくとして。

上:とてもセンスのある若き料理家、絶賛料理中!と、下:たくさんいただいた花のひとつ、

自家菜園から持ってきてくださったアーティチョーク。




※週刊ロバビルはもうすぐ終了となります。
 最後までご期待下さい!!


手創り市





週刊ロバビル・6月11日号


himaar HP  http://himaar.com/



ロバビルから、こんにちは。


前回の記事のつづきをご要望いただいたので(ありがとうございます)、書いてみます。


これから店をやりたいと思っている人へのアドバイス的なこと(お節介)、というお約束でした。

よく考えてみると、店をやる人に限らず、ものづくりをしている人にも共通する話かもしれ

ません。


さて。

店をやっていると、ときどきこんなことを言われます。

「こういうものがあれば買うのに・売れるのに」とか

「こういう人気商品があるんだけど、ここでも扱えばいいのに」とか。

ウチは喫茶もあるので、「ランチをやればお客さんが増えるのに」とか

「夜も営業してお酒を出せば儲かるのに」とか。


売れりゃいいのか、お客さんが増えりゃいいのか、というのはまたべつの話になるので、

ここでは置いといて。


店を始めて1年足らずの私たちが断言してよいものかどうかと思いつつ、確信があるので言って

しまいますが……

これを売れば・やれば、絶対に儲かる!

……なんてものはありません、決して。

「これを売れば儲かるのに」と言われたら、どうぞあなたが儲けてください、と言ってさし

あげたいです。


しかしながら、そのように確信していても、つい、ふらふらっと「こういうものも扱ったほうが

いいのかも……」「食事メニューを増やしたほうがいいのかも……」などと周囲の声に惑わされ

そうになるときがあります。

そんなふうにグラつくのは、ずばり!売上が低迷しているときでしょう。


そんなときこそ、ひと呼吸おいて考えることをおすすめします(前回も書いたような)。


そもそも、ウチのような個人事業主の、一人か二人でやっているような小さな小さな店で、

すべてのお客さんの声に応えるなんてことはできっこありませんし、そこを目指す必要はないと

思います。

お客さんに「こういうものがあれば」と言われるのも当然です、だって、百貨店やスーパーの

品揃えに比べたら、ないもののほうが多いんですから。

でも、そのかわりに、百貨店やスーパーにないものがある、ってことですよね。


私たちが店を始めて1年足らずのあいだに、やっぱりそうだ、これでいいんだ、と度々重ねて

確信してきたことがあります。

それは「自分を基準にするしかない」ということです。

絶対に儲かる方法がなくて、たくさんのお客さんのニーズに応える資本がなくて、じゃあどんな

店づくりをしていくかといえば、自分がいいと思える店、自分がいいと思うものを扱う店しか

ないんじゃないでしょうか。

自分の「いい」と思う感覚に共感する人は必ずいるもので、そういう人たちにとって魅力のある

店になればいい。

共感しない人には欲しいものがひとつもない店になるだろうけど、その人たちにとって魅力的

な店はまた別にあるはずだから、それでいいんだと思います。

そうやって、その店にしかない魅力ができれば、儲けは後からついてくるものだと思います。

そんな店になりたい、と思いながら書いています。


百貨店やスーパーにないものがある……、それは商品という意味での“物”でもあり、商品以外

の“もの”でもあると思います。

物は物としてはじめからあるわけではなく、つくる人がいて生まれ、それをつなぐ人がいて

届けられ、使う人によって活かされるのだと思っています。

店をやるとき、つい扱う物のことばかり考えがちですが、魅力的な店にある物と同じ物を扱えば

同じように魅力的な店になるわけではないですよね。

逆に、あっちの店で魅力的に見えなかった物が、こっちの店だと輝いて見えるということもあり

ます。

わざわざでもその店に行きたい、買うならその店から買いたいと思わせる“もの”、それは

ロケーションやら内装やらいろんなものが合わさってつくられる店の佇まいみたいなものだと

思うけど、一番大きな要素はやっぱり人だろうと思います。

べつに愛想がいい人がいいとかいうことではなくて、その人から買いたいと思わせる“もの”を

感じられる人かどうかということで。

言葉でいうなら、信用とか信頼とかってことなのかもしれない。

そんな店になりたい、そんな人になりたいと思いながら書いています。


果たしてこれ、アドバイス的なこと(お節介)になってるんだろうか?どうなんろう……と

いう気がしてきたので、最後にひとつ、実務的なことを。

店をやるときには、毎月固定の支出をできるだけ抑えるようにしたほうがいいと思います。

一番大きいのは家賃です。

ウチはまあ、家賃がかからないからやっていけてるようなもんです。


それでは、また来週。

ロバビルからでした。


写真は、最近の店内のようす。自転車からはちみつまで。品揃えが幅広いわけではなくて、

相当なピンポイントでバラバラなだけです。そこに共通しているのは、私たちがいいと

思うもの、ということ。ちなみに、はちみつのラベルは夫デザインの当店オリジナルです。






※週刊ロバビルはもうすぐ終了となります。
 最後までご期待下さい!!


手創り市





週刊ロバビル・6月4日号


himaar HP  http://himaar.com/



ロバビルから、こんにちは。


連載も終了が近づいてきたし(いつまででしたっけ?)、一度くらい、経験者が語るアドバイス

的なこと(お節介)でも書いてみるか、と思い、書いてみます。

しかしながら、実年齢だけはいい歳ですけど、himaarとして活動を始めて3年ちょっと、

himaar coffee & craftsの店を始めて1年足らずのまだまだひよっこですので、大先輩方には

今回はお読みにならないでいただくか、お読みになって「まだまだだな」と思われたときには、

その大きな器で受けとめていただけましたら有り難く存じます。


さて。


手創り市に出展しはじめたばかりの方へ。

最近、手創り市には店やデパートなどの関係者が多数ご来場されている、と風の噂に聞きます。

いわゆる、バイヤーさんという方々ですね。

「店に卸したりされてます?」などと声をかけられたら、どう対応するか。

「いや〜、そんなの、自分には、まだまだ」と思っていても、それは、ある日突然、やってくる

ときにはやってくるものです。

店などに卸すことをするのか、しないのか。

それくらいは少なくとも、考えて決めておいたほうがよいと思います。


卸すことをしない方は、そのように伝えればよいだけですので、よいとして。

卸すことをする方は、その場合の具体的な条件まで考えておきたいものですね。

「お金のことは苦手で」「自分がつくりたいものをつくっていければそれでいいから」と思って

いる方も多いでしょう。

しかし、まさに「自分がつくりたいものをつくっていく」そのために、お金のことは大事。

苦手でもがんばって考えてみましょう。


出展していると、バイヤーさんだけでなく、「ウチのサイトに出品しませんか?」とか「取材さ

せてください」とか「展示会をやりませんか?」とか、さまざまな営業やお誘いの声がかかる

こともあるでしょう。

それぞれの場合についてシミュレーション(たとえ「妄想」よばわりされようとも)して、自分

の考え、どう対応するか、を明確にしておければよいと思いますが、なかなか、そんなに妄想

ばかりしてもいられませんよね。

そこで、私たち自身がさまざまな失敗や後悔などを経て身につけた秘策(!?)を伝授します。


それは「その場で返事をしない」。

秘策でもなんでもないじゃん、って思われるかもしれませんが……。


そもそも、出展中に、お客さんがおられるところでする話じゃない、というのもあります。

なので、連絡先を伺って、後日こちらからあらためてご連絡します、と伝える。

そう伝えても、世の中にはあつかましいくらい押しの強い人がいて、平気で話を進めようとされ

ることだってあるのですが、それでもひるんではいけません。

これで、ひと呼吸おいて考えることができ、失敗や後悔を減らすことができているように思い

ます、私たちの場合。


まあ、それでも、失敗するときにはするし、後悔するときにはするんですけどね。

そんなときには「何事も勉強」と思いましょう。


これから店をやりたいと考えている人へのお節介も書こうかと思ったけど、長くなったので

このへんで。

ご要望があれば次回に書きますが、なければやめときます。


それでは、また来週。

ロバビルからでした。


写真は、本文とは関係なく。5月に出展したイベントで、目の前に見えた姫路城
(実際は裏側からでしたが、写真は正面からのもの)。
世界遺産の姫路城、お化粧直し中でもさすがの立派さだと思いました。 



ヒマールさん、突っ込んだ話をしましたね。

ご要望がある方は是非とも「ご要望あり」のメッセージをどうぞ。 名倉



手創り市

http://www.tezukuriichi.com

https://twitter.com/kishimojinotori







週刊ロバビル・5月28日号


himaar HP  http://himaar.com/


ロバビルから、こんにちは。


先週あたりから急に暑くなって、「店の冷房、つけたほうがいい?」「う〜ん、まだ早いで

しょ」の会話を繰り返している今日このごろです。


気づけば、東京から山口へ引っ越してきてから1年がたっていて、まもなく店のオープンからも

1年になります。

去年の今ごろは、開店に向けて毎日あれこれやっていたなあ、と思い出すけど、遠い昔のことの

ような……。

年齢とともに1年がたつのはあっという間なのに、まだ1年、という感じがするのは、この1年に

いろいろと、今までになくいろいろと、私たちにあったからかもしれません。

そして、これからの1年もまたいろいろと、今までにないことがいろいろと、ありそうな予感。

たのしみです。


しかしながら、2階の自宅にはまだ塗っていない壁が残っているし、3階の工房は“紙”の

カーテンのままだし、「とりあえず、ここに」と置いたものはとりあえずの場所のままだし、

引っ越しから開けていない段ボールもまだある……。

やっぱり1年はあっという間で、このだらしないくらいののんびりさは、今まで通り!?

いい加減に、なんとかしなくちゃね。


以前に書いた“屋上菜園計画”は、柵も何もないただの陸屋根なので「支柱を立てるのがたいへん

だよ」「台風のときに危ないよ」などのアドバイスをもらい、結局、比較的日当たりのよい3階

の通路にコンテナを4つ並べて、まずは小さなスペースから始めてみることになりました。

“屋上菜園”改め、“通路菜園”。


しかも、種から育てるつもりが、店で種を買っていってくれたお客さんと実家の父が「種から苗

にしてあげたよ」と持ってきてくれて。

野菜づくり初心者にはたいへんありがたい!

お客さんからもらった苗がミニトマト、父からもらった苗が別の種類のミニトマトと中玉トマ

ト、そしてバジル。

思いがけず、この夏は3種類の自家栽培トマトをたのしめることになりそう。


キュウリ、ナス、ピーマンの種を買っていってくれたカメラマンのNさんと、収穫したら物々

交換することになっています。

この夏は野菜を買わなくても済む予定。


それでは、また来週。

ロバビルからでした。




※週刊ロバビルは毎週火曜日の更新となります。



手創り市






週刊ロバビル・5月21日号


himaar HP  http://himaar.com/



ロバビルから、こんにちは。


連載終了まであとわずか。

1年間よくがんばった妻を労って、優しい夫2度めの登場です。


皆さん、お皿割ったことありますか?

ありますよね。人間生きてればそれくらいの失敗。

では、自分の意志でお皿割ったことありますか?

ついかっとなって…とか、ストレス解消のためとかではなく、

「よし、この皿割るしかない!」って決断を下したこと。

僕はあります。けっこう辛かったです。


先日、店で溜まった洗い物を片付けていたところ、泡まみれの滑りやすいコーヒーの受け皿を

つかみそこね、うっかり流しの中に落としてしまいました。運良くすすぎも最後の方だった

ので、流し内に他の食器はなく割れるという最悪事態にはいたらなかったのですが…。




見てください。見事にハマりました!

この排水口の径を測って合わせて作ったとしか思えないほどピッタリ。

こんなミラクルって案外あるもんですよね。

ま、しかし、見た目ピッタリとは言っても実際はわずかな隙間もあるでしょう。

気を取り直して皿を拾おうとしたところ…。外れません。

爪を立ててみたり、水分を拭ってみたりしましたがビクともしません。

こんな時こそまずは落ち着いてと、余裕をかましてお茶を一服して再度挑戦です。

時間も経ったし、流し内にも目に見えない物理的な変化が起きたかもしれないので、案外簡単

に外れるのでは…などと楽観的に流しに向かう僕をあざ笑うかのように、やはり皿はビクとも

しないのでした。

さぁ、こうなってくると本気(マジ)モードで事態の収拾を考えなければなりません。まずは

冷静に状況を検分してみましょう。

水を流しても流しに溜まらず排水口に流れ落ちていくことから、完全にはまっていると思われ

た皿は、かすかに排水口に対して斜めにはまっていることが判明。

このかすかな隙間を利用して皿を持ち上げる方法を模索する。手近にあるものを見回す。

スプーンの柄→厚すぎて×。爪楊枝→ねじ込もうとしても先が潰れてしまい×。どこかに強力な

吸盤があったはずだ!よし、と思ったがどこにしまってあるのか皆目検討もつかん。

強い力を加えることだけは避けたいと腕を組んで思案していたところ、この様子を遠巻きに

見ていた妻が、「ちょっと浮いてるじゃん。こっちを押せば取れるんじゃない?」と脇から手を

伸ばし、ハマっている皿の端をグイっと…。もちろんびくともしない。続いて何を思ったか

かすかに浮いてる方の端をグイっと押すと!

皿はかすかに動き…ハマりました。さぁ、完全にハマりましたよ。水流れなくなりましたから。




例え強力吸盤が奇跡的に見つかっても、もう吸盤パワーくらいでは外れそうにはありません。

万事休す…と思ったその時、あばれはっちゃくなら「はっちゃけた!」と叫ぶほどの

ひらめきが!

「皿は磁器、流しはステンレス、熱を加えた時の膨張率は異なるはず!」

幸いコーヒーを淹れるため熱湯には事欠かない当店。さっそく沸き立て熱湯を排水口にそっと

注いでみる。が、しかし、当然熱湯は皿と流しに溜まって流れない。つまり、熱くて皿に触れな

いという予想外(!?)の事態が発生。一旦台ふきに熱湯を染み込ませ取り除き(この作業も結構

熱かった)滑り止め付き軍手などを使って外そうとするもやはり動かず。金属の方が膨張率は

大きいに違いないが、もしかしたら皿も一緒に膨張しているのかも知れないと、熱湯をかけ

→ふきんに染み込ませ熱湯を取り除いた後、皿にだけ冷たい水をかけてみたりと、もう何して

るんだか自分でもよくわからなくなりながらも再チャレンジするも案の定、皿はピクリとも

動きません。


なんだかんだで流しと格闘すること小一時間。いくらお客さんの少ない店とはいえ、こんなこと

にこれ以上時間と無駄な労力を費やすのもどうかという結論にいたり、「割る」という最終決断

がくだされたのでした。

これが作家物のカップ&ソーサーだったりしたらこうはいかないわけですが、こんなこともあろ

うかと、店で使用する食器類は手に入りやすく、替えの効く、値段も安いものという選択は間違

いではなかった!まさに不幸中の幸い。


そうと決まれば3階の工房へひとっ走り。せめて割る時には痛い思いをさせず一息にと、大きさ

の割に結構高かった金槌を持って戻り、捨てるつもりの古いふきんをかぶせ心の中で小さく

「すまん!」とつぶやきながら金槌を振り下ろす!が、案外頑丈なメイド・イン・タイランドの

ソーサー、排水口にピッタリはまったことで心なしか強度も増しているようで。

「えいや!」とさらに力を込めて金槌を振り下ろすこと3度目にして「バンんっ」というなんだ

かスカッとしない音と共に皿は粉々になったのでした。




御覧ください。たゆたふさんに金継ぎを頼むのも気が引けるほどのバラバラっぷり。

わたくしめの不注意により道具としての一生を全うすること無くバラバラにされてしまった受け

皿へのせめてもの償いになればと、ことの次第を長々と綴ってまいりましたが、みなさまも

どうか洗い物をするときはお気をつけて。いや、洗い物以外にも意外なあんなものとこんなもの

が何故かサイズぴったりということは往々にして御座いますので、××が○○にはまっちゃって

にっちもさっちもいかないなどということがないようお気をつけくださいませ。


それでは、また来週。

ロバビルからでした。



お皿が排水口にはまってしまう。それで思い出したのは小学生の頃のこと。

近所の駄菓子屋ではまだビンのジュースを販売していて、ビンを返却すると50円とか30円

とか返金してくれる訳で、それが嬉しくて飲みきったビンはすぐさま水ですすいで、駄菓子屋

に返却してゆきます。ある時、なにを思ったか、ビンの口径に指突っ込み、両手にビンをぶら

さげてルンルン返却しに行くとビンが指にはまって、じゃなくて、指がビンにはまってびく

ともしない。駄菓子屋のおばあさん、あれまあ…となり、私はびっくりして家に帰ると父親は

こう言いました。「ああ、これは両方とも指切った方が早いな…母さん、包丁もってこ〜い」

なんてことを呑気に言われ、私更にびっくりし、泣いてしまった。怖くて声もあげずに。

母さんが持ってきてくれたのは、液体洗剤でした。あとはもうわかりますよね?

私の両手は指がしっかりありますし、あれからビンに指をつっこみ抜けないなんてことも

ありません。人は学びます。泣きながらも。 お邪魔しました。名倉



※週刊ロバビルは毎週火曜日の更新となります。



手創り市







週刊ロバビル・5月7日号


himaar HP  http://himaar.com/



ロバビルから、こんにちは。


ヴァン・モリソンのほかに、ここ数年、アイルランドの音楽をよく聴くようになりました。

去年の秋に行った、ザ・チーフタンズのコンサートは素晴らしかったな!


入手して以来、挫折しっぱなしのティン・ホイッスル。

いつかモノにして、パブで演奏に加えてもらう(!?)のが夢です。


ああ、アイリッシュ・パブ!

フィッシュ&チップスに、ギネスビール!!


アイルランドへの憧れはふくらむばかり!

よし! と思って「アイルランド」というタイトルの旅行ガイド本を買ったのですが……。

あれれ? アイルランドの魅力って?

どこへ行けば、私たちが憧れているアイルランド(相当漠然としたものですが)に出会える

のか、この本じゃ全然わからない〜。

日本だって、東京へ旅行するのと山口へ旅行するのじゃまったく違うわけで……。

あまりにもよくわからなくて、だんだんと「行きたい……んだっけ? アイルランド」など

と思ってきました。


そんなとき。

一年の半分をアイルランドで、半分を東京で暮らしている、フォトグラファーの松井ゆみ子さん

と知り合う幸運がありました!

『ケルトの国のごちそうめぐり』という本も出しているゆみ子さんは、『家庭で作れるアイル

ランド料理』という新刊を出されたばかり。

それでゆみ子さんから「お店でアイルランド料理を試食していただきながらアイルランドに

ついてお話する会、やりません?」とお話が。

おー、やります! やりたいです! ぜひに!!


というわけで、ただいま、7月の開催に向けて着々と打ち合わせ&準備中。

「たのしみにしててくださいね」とお客さんに言いつつ、もっともたのしみにしているのは

例によって自分たちなのであります。


そんな昨日のこと。

外国人のお客さんがご来店。

近くに米軍基地があって時々アメリカ人のお客さんが来られるので、そうかと思っていたら、

店で販売しているゆみ子さんの本を手に取り、なんと「僕の国です」と!

これ、ものすごい偶然、と言ってよいのではないでしょうか!?

もちろん7月の会にお誘いして、アイルランドへ旅行するならどこがおすすめか、などなど、

いろいろと教えてもらいました。


あれれ? もしかして、アイルランドが私たちを呼んでいる!?


来週は姫路のイベントに出展するため、連載を休みます。

そんなわけで、また再来週。

ロバビルからでした。


写真は、あまりにも上達しないのでついチャルメラを吹いてしまうティン・ホイッスルと、

あまりにも有名なギネスビール。



※「週刊ロバビル」は毎週火曜日の更新となります。

「お知らせ」
来週の週刊ロバビルはヒマールさんのイベント出展のため
お休みとなります。





週刊ロバビル4月30日号


himaar HP  http://himaar.com/



ロバビルから、こんにちは。


黄金週間真っ只中、みなさん、たのしんでますか?


店はゴールデンウィーク中も通常営業ですし、明けて11・12日の週末には姫路でのイベント

出展もあるので、私たちはふだん通り仕事をしております。

が、それでも、来店されるお客さんや通りを歩く人たちの、いつもの週末とはどことなく、

なんとなく違う、「うきうき」や「のんびり」が伝わってきて……

私たちもゴールデンウィークの雰囲気を味わっていますよ。


ところで。

先週のこの連載を、店のfacebookからリンクをはって紹介したところ、今までにない反響が

ありました。

facebookを見てくれている地元の人たちから、たくさんのメッセージが!

これまで「∴つづる」の連載を40回(!)続けてきて、きっと大勢の方が読んでくださって

はいるんだろうけど、出展なかまからを除けば、こんなふうに感想や意見をもらうことは

ほとんどなく、正直、読んでる人いるのかな?……と思うことさえあったので、単純に

嬉しかった。

しかもそれが、地元のことを考えている地元の人たちからの声ですから、嬉しさもひとしお。


今回のこの反応があっただけで、連載しててよかったな、と思えました。

みなさん、ありがとう。


そんなわけで、残りはどーでもいいから……というわけじゃなくて、ゴールデンウィーク

気分なので、今週はこのへんで。

約束の1年まで、もうちょっと続きますのでおつきあいください、週刊ロバビル。


それでは、また来週。

ロバビルからでした。


写真は、
静岡のユーカリカシテンさんの息子くんとお好み焼き(広島風。肉ぬき・うどん入り)。
ゴールデンウィーク前半、遊びに来てくれましたー。


※「週刊ロバビル」は毎週火曜日の更新となります。





週刊ロバビル・4月23日号


himaar HP  http://himaar.com/



ロバビルから、こんにちは。


先日のこと。

5回目となった写真のワークショップを終えて、講師の寺下さん、参加者のみなさんと

コーヒーを飲みながらおしゃべり。

なんのきっかけでそうなったのか忘れたけど、この岩国をもっと活気のあるまちにしたい、

住みたい・帰ってきたいと思えるまちにしたい、というような話になり……

12時にワークショップが終わってからその後14時近くまで、思いがけず熱いトークと

なりました。


ナガサキリンネが終わってから、頭の中でぐるぐると、心の中でもやもやと、お互いにまだ

言葉にならない考えを考え続けていた私たち二人。

私たちのやりたいこと、やれること、このまちにいいかたち……

それがなんなのかをずーっと考えていたのですが、この日の話でちょっとずつ、なんとなく、

その考えのゆく先が見えてきたような……、まだわからないような……。


で、それから数日がたって。

twitterのTLからの情報で、「ハンドメイドインジャパンフェス」なるイベントが開催される

ことを知りました。

そのホームページを見てみたら、協力に「手創り市」とありましたが、このことについては

手創り市の事務局からなんらかの発表があるでしょうから、さておき。


ホームページを見た限りの印象に過ぎませんが、これは良くも悪くも“東京のイベント”だな、

と思いました。

そして、このイベントについて思うことを二人であれこれ言い合っているうちに、

図らずも自分たちの中でもやもやしていたことがはっきりとわかった。


私たちが今、このまちにあったらいいなと思うこと、このまちでやりたいことは、

“お祭り”じゃないのだ。

打ち上げ花火みたいなでっかいイベント、ではない。

それを求めている人もいるだろうし、そういうのも必要かな、と思うときもあったけど、

まずやるのはそっちじゃないな。

日々がちょっとたのしくなるようなこと、ふだんの中にたのしみがあるようなこと、

断然そっちが先だ。


夫がいいことを言いました。

「店が、そうなればいいんだよね」

夫は説明下手なこともあって日頃よくわからないことを言うときが多いけど、たまにもの

すごくいいことを言う。

そうだ、そうだ、私たちには店がある。

ここが、ここに来てくれる人のたのしみになるように、やっていこう。

自分たちもたのしみながら、じわじわとたのしみをひろげていこう。

ここから始めればよいのだ、と気づいて、もやもやがすっきりしました。

よし。


それでは、また来週。

ロバビルからでした。


写真は、先日の土曜に開催した「版画工房みのむし」さんによるペーパースクリーン版画の

ワークショップ。

春のグリーティングカードをつくりました。

参加したみなさんはとてもたのしそうで、「とてもたのしかった!」と言ってくださり、

「たのしい人を見ているのはたのしい!」と私たちは思いました。

みのむしさんのワークショップは2回目ですが、これからも何回もお願いします。 

週刊ロバビル39号-1.jpg
週刊ロバビル39号-2.jpg
週刊ロバビル39号-3.jpg

※「週刊ロバビル」は毎週火曜日の更新となります。





categories
selected entries
archives
search this site.
PR