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  • 2014.02.15 Saturday

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日々のなかの真鍮に ある春の料理を(最終回)

夕顔 藤間夕香 http://www.fujimayuka.com

この記事が更新されるのは、

「日々のなかの真鍮に ある春の料理を」

が始まって2日目の20(土)。食事会の日。

今はその数日前で、食事会にむけて最終準備などなど しているところです。

春のさなか。

野菜を含め植物のざわめき、土のにおいを近くに感じる季節。

そのはじまりは、春であるように思う。

指先で料理と器を繋ぐ。

テーブルに運ぶ。

野菜を手にとる。

手にとった器を眺める。

庭の葉を、一枚そえる。

空間に並べる。

文字に書く。

日々、時間は平等に過ぎる。

今見ている風景が記憶に変わるのは、少しせつなく愛おしく。
季節はめぐるということ。

真鍮の器やカトラリーが、使う度に味わいと想いを重ねるように

この春の、料理や空間もそのようにあれたらよいな。

「日々のなかの真鍮に ある春の料理を」へ

願いをこめて。

rojicafe atoにて、

みなさまのお越しをお待ちいたしております。

yuta 須原健夫 http://www.yuta-craft.com

僕の作品は、あまり積極的ではない。たぶん。

決して消極的なわけではないけれど、それは観る人に強く訴えかけるものでは無く、

耳を澄ました時に遠くに聞こえるような、そういう類のものだと思う。

roji cafe atoは耳を澄ますことのできる空間だ。

静寂の中で、日常の中の美しさや自分自身と、いつの間にか自然と向き合っている

ことに気付く。

今回の展示「日々のなかの真鍮に ある春の料理を」では、そんな静寂がより濃密な

ものとして用意されていた。

搬入の日、そこに置かれていく作品達は、驚く程に空間にすっと馴染み、そして

拡がっていった。

食材と静かに向き合い、対話し、それぞれにあった調理法で素材本来の美味しさを

引き出す夕顔さんは、yutaの作品とも真摯に向き合い、その世界観を素直に表現する

ことができる空間を見事に作りあげてくださったのだ。

つくり手としてこんなにうれしいことはない。

そして、この記事がアップされる当日にはいよいよ、yutaのうつわを使った食事会が

開かれる。

その時もきっと、僕自身も気付いていないような、作品本来の魅力が引き出されるん

だろうなと期待に胸が高鳴る。

耳を澄まして観る。

耳を澄まして料理をいただく。

そんな穏やかな時間を共有できることを楽しみに、皆様のお越しを心よりお待ちして

おります。

・・・

「日々のなかの真鍮に ある春の料理を」

 yuta (真鍮) × 夕顔 (料理)

http://yuugao.jugem.jp/?eid=152

yutaの真鍮の暮らしの道具展と、

夕顔によるyutaの器をつかった春の料理 / 食事会を行います

【 会期 】

4月19(金)20(土)21(日)、

4月26(金)27(土)28(日)29(月・祝)

* 20(土)と27(土)は食事会(要予約)

手創り市

http://www.tezukuriichi.com

https://twitter.com/kishimojinotori






日々のなかの真鍮に ある春の料理を(4月13日)



yuta 須原健夫 http://www.yuta-craft.com


シガーソケットが火を点ける為のものだと久しぶりに思い出した。

引き出し型の灰皿があることに、初めて気付いたからだ。

何か、教訓めいた言葉が浮かびそうになったけれど、それらし過ぎて情けないのでやめた。


山が答えを教えてくれると思った。


偉大なる山が、偉大なる教訓を与えてくれる。

その薬は万能薬のように、苦しいことや、しんどいことを解決してくれる。

何年か前に山を登りはじめた時、心の片隅で僕はそう思っていた。


車を降りて登山口の前へ立つ。久々の山登りだ。僕はゆっくりと足を踏み出す。


一面の落ち葉が土を暖めている。

出てきたばかりの葉っぱが生まれたての子供みたいに賑やかだ。

何か住んでいるんじゃないかと、木のうろを覗く。

こんにちは。知らない人と挨拶をした。


そのうちに今まで登った山々の記憶が呼び起こされてくる。


根っこの階段。これ以上、透明にならないんじゃないかと思うくらい透明な沢の水。

一輪だけ咲いている花。小鳥の鳴き声。

植物の背が低くなっていく。もうじきに頂だ。

霧が立ち籠める。岩の上で燕を見た。


頂上。僕は山頂の神社で二回手を打った。


遠くの景色をぼうと眺める。遠くの碧が、近くの生命が、心の中の言葉を洗い流していく。


やっぱり山は何も教えてはくれない。教訓も慰めも、何も語りはしない。

山はどこまでも人間に無関心だ。

だからこそ、美しく、何よりも優しく、

そこにいる人達はそれぞれに違う何かを受けとっていく。


この景色のような作品が作りたい。

自分の気持ちを再確認した。


心地よい疲労感を感じながら、家路へつく。

山菜が食べたいな。

シガーソケットに携帯の充電器を差し込んで、僕は車のアクセルを踏んだ。



「日々のなかの真鍮に ある春の料理を」

 yuta (真鍮) × 夕顔 (料理)


http://yuugao.jugem.jp/?eid=152


yutaの真鍮の暮らしの道具展と、

夕顔によるyutaの器をつかった春の料理 / 食事会を行います


【 会期 】

4月19(金)20(土)21(日)、

4月26(金)27(土)28(日)29(月・祝)

* 20(土)と27(土)は食事会(要予約)


※本連載は一ヶ月間の短期集中連載、毎週土曜日更新となります。


手創り市






日々のなかの真鍮に ある春の料理を(4月6日)

夕顔 藤間夕香 http://www.fujimayuka.com

ある春の日、今日はどんな献立にしよう?

自転車でいつもの八百屋を数件まわる。

まちの個人経営の八百屋は、

並ぶ野菜の個性がそれぞれにあって面白い。

山菜や、ちょっと珍しい旬のものを置いている八百屋さん。

香草や、青唐辛子の束、えごまの葉など、アジアの野菜も取り揃えている八百屋さん。

常備野菜や定番の野菜が主だけれど、いつも鮮度のよいものを並べている八百屋さん。

ここのおじさん、野菜の紹介を美味しそうに話すのがいい。しゃがれた商売声もいい。

商店街の外れに川があって、橋を挟んだ両側に桜並木がある。

自販機で買った珈琲を片手に、

橋の、地面より一段高い段差にのって桜を間近に眺める。

桜は花が終わる頃にピンク色が濃くなる。清々しく色っぽい、独特の香りがとても好きだ。

「神社の境内みたいに静か」という言葉を嬉しく思う。

思い立った時や買い物の途中にもよれる近所の神社。

心がざわめく時、境内の木々や猫や

本殿に光がうすく霞をつくって差しているのを見ると、心が静かになる。

おみくじはいつ引いてもいいのよ、という事を知ってから ふらりと行く機会も増えた。

買い物と少しの寄り道を終えて家に着く。

料理につかう食材を台所のテーブルに一旦ならべて、

自分が心地よいと思う配置にしつらえてみる。

野菜の色と姿は本当にきれい、と思う。

料理をしながら、盛りつける器の事を考える。

食器棚にならぶ器たちは、使う度に自分の内側にすっと馴染み、

生活に添った色艶と愛着を増す。

使い込まれた という、説得力ある美と

自然の織りなす美しさは、わたしの永遠の憧れ。

かなわないなあと思わされる。でもそれは励みにもなるのです。

買い物→(たまに寄り道)→並べる→料理→盛りつけ の流れのなか、よく感じること。

献立よりひと品。

皮まで柔らかで瑞々しい春かぶ、滋味深い味わいの蕾菜、ほのかな苦味の菜の花に、

ゆっくり焼き目を入れて甘味を引き出し、

清涼感あるクレソンをあわせて、天然塩とグリーンペッパーを散らす。

食器棚から選んだ器は、かれこれ3年程愛用しているyutaさんの真鍮皿。

深く落ち着いた色となったこの器が、春の野菜を照らす。

じっと見つめていたい程、ぐっとくる光景。
 

日々使ってゆくことの愉しさ、あじわい。

自然のつくる美しさ 美味しさのことを また静かに思う。

 

「日々のなかの真鍮に ある春の料理を」

 yuta (真鍮) × 夕顔 (料理)

http://yuugao.jugem.jp/?eid=152

yutaの真鍮の暮らしの道具展と、

夕顔によるyutaの器をつかった春の料理 / 食事会を行います

【 会期 】

4月19(金)20(土)21(日)、

4月26(金)27(土)28(日)29(月・祝)

* 20(土)と27(土)は食事会(要予約)

※本連載は一ヶ月間の短期集中連載、毎週土曜日更新となります。

手創り市






日々のなかの真鍮に ある春の料理を(3月30日)



yuta 須原健夫 http://www.yuta-craft.com





マクドナルドを食べてみたい。


僕は小さい頃、外食をほとんどしたことが無い。

父親は外食が嫌いで、ご飯は家で食べることが普通だった。


煮魚とか、ふきとか、菜の花とか、栄養があるらしいと言って

おかんがたまに買ってくるモロヘイヤを少年時代の僕は、暗澹とした気持ちで

食べたものだ。


そんな僕が、小学校で同級生達が話しているハンバーガーなる食べ物に、

胸一杯の夢を膨らませていたのは言うまでも無い。

赤い頭をしたピエロは不気味だったが、みんなが楽しそうに話すなんちゃらバーガーや

ポテトは、僕の中でキラキラと輝いていた。


そのずっと後、上京して一人暮らしを始めた頃にその反動が出た。


昼ご飯は、マクドナルド一択。

憧れのなんちゃらバーガーのLLセットにたっぷりケチャップをつけて

うまいうまいとマクドナルドを食べ続ける日々。


甘い匂いのする都会のネオンの中で、ハンバーガーを腕いっぱいに抱える

僕は、世界で最も煮魚と遠いところに立っていた。



それから、幾年か。


歳を重ねる毎に、マクドナルドに対する気持ちは変容していく。

少しずつ気付いていく。


頬張った瞬間に、刺激的な味は快楽となって心の表面を滑り落ちていく。

快楽は一瞬で通り過ぎ、なんとも言えないうしろめたさが心を包む。


あんなにキラキラ輝いていたハンバーガーの包み紙は、まるでからっぽで孤独な気持ちを

象徴するように、トレーの上でカサカサと音を立てていた。


僕が、丁寧な食に対して興味を持ち始めるのと、真鍮で生活の道具を作り始めるのは、

よくよく考えてみると同じくらいの頃からだったかもしれない。


少しずつ、ほんとに少しずつではあるけれど、量販店のお惣菜よりも、旬の野菜が

美味しいと思えるようになっていく。

心は、滑り落ちていくような快楽よりも、ずっと大切な何かを探し始めていた。



そんなある日、夕顔さんの料理を食べる機会があった。


正直、度肝を抜かれた。


今まで幾度となく食べてきたはずの野菜達。


そんな顔見知りの野菜達が、まるで心を開くように、本当の姿をそこにさらけ出している。

きをてらうことのない正直な味が、じんわりと心に沁みていく。


その料理は、神社の境内みたいに静かで、祈りみたいに純粋で、家族を想うみたいに

熱が籠っていた。


美味しい。


心のどこかの栓が抜けた。


食べることは、生きている意味そのものじゃないか。

そう想わせるほどに、夕顔さんの料理は衝撃的だった。



それ以来、作品と料理の繋がりをより意識するようになる。

料理屋さんでは、まずうつわと盛りつけを存分に楽しんで、それからゆっくりと

味の中を散策する。

料理をする時は、丁寧に大切に、盛りつける時は色どりを添えることを忘れずに。


煮魚にのせられた輪切りのしょうがを想い出す。

おひたしのうえにふわふわと腰をおろすかつおぶしを想い出す。

様々な野菜や果物を使った、楽しい食卓を想い出す。


ああ、そうか。


おかんの作る料理は、家族を想う気持ちそのものだった。


刺激が足りないと思っていた味は、身体を気遣う想いだった。

大皿をかこむ、小鉢や小皿は、楽しい食卓をつくる優しさだった。


料理は気持ちをいただくものだった。



今日、何食べたい?


嫁の声が聞こえる。

僕は少しだけ考えて口を開いた。


煮魚を食べたい。 



※会期中のお食事会では、
 yutaさんの真鍮のうつわ・カトラリーを使った春の料理をお出しします。 


連載のタイトルがそのまま展覧会のタイトルとなる本展は
事務局兼rojicafe atoにて行われます →  

会期がやってくるまで、ひとまずこちらの連載をご覧ください。



※本連載は一ヶ月間の短期集中連載、毎週土曜日更新となります。


手創り市






日々のなかの真鍮に ある春の料理を (3月23日)


夕顔 藤間夕香 http://www.fujimayuka.com



日々のなかの真鍮に ある春の料理を。


金工作家・yutaさんのつくる真鍮の暮らしの道具展と、

夕顔による 真鍮のうつわ・カトラリーをつかった春の料理 / 食事会が、

4月19(金)よりrojicafe atoにてはじまります。


ご一緒する機会を願っていた yutaさんとのこの展示会のこと、

短期連載としてつづります。

今回はわたしの番。


yutaさんのつくるものたちは

素材そのもののもつ美しさを、すくいあげてカタチに落としたよう と思う。

そして触れたときの心地よさ、使い勝手も考えられたつくり。

使うこちら側に、余白をあたえてくれる愉しさがある。


その余白は、私のなかに景色をつくって、

(ささやかだけれど目を奪われるような / 例えば雨上がりに、

 植物の葉先についた瑞々しいしずくを見つけた時のような... )

景色は料理へひろがる。


料理をつくる時、この瞬間のことをとても大事に思う。


うつくしの金色をかたどる 少し深さのあるうつわには、瑞々しい緑の野菜を。

今の時期には、菜の花とたらの芽。

春かぶらのふっくらとした白色と旬魚の甘みが緑をたてる。

透けるように仕上げたお出汁のあんをゆっくり垂らすと、

うつわの鎚目に小さなしずく、とろんと広がり金色をみたす。


「菜の花とたらの芽、旬魚の春かぶら蒸し / 真鍮鉢」




※会期中のお食事会では、

 yutaさんの真鍮のうつわ・カトラリーを使った春の料理をお出しします。 




連載のタイトルがそのまま展覧会のタイトルとなる本展は

事務局兼rojicafe atoにて行われます →

会期がやってくるまで、ひとまずこちらの連載をご覧頂ければと。名倉



※本連載は一ヶ月間の短期集中連載、毎週土曜日更新となります。


手創り市







新連載:日々のなかの真鍮に ある春の料理を


4月下旬より事務局兼rojicafe atoで開催されます金工作家yutaさんと夕顔さんによる二人展

開催に併せまして、お二人に短期集中連載を担当して頂くことになりました。

早速ご紹介致します!!



タイトル:日々のなかの真鍮に ある春の料理を

連載期間:3月16日〜4月20日

URL  :http://tsuzuru-hibi.jugem.jp/?cid=14



yuta  http://www.yuta-craft.com


夕顔 http://www.fujimayuka.com



※本連載は一ヶ月間の短期集中連載、毎週土曜日更新となります。



手創り市






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