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  • 2014.02.15 Saturday

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週刊ロバビル・5月21日号


himaar HP  http://himaar.com/



ロバビルから、こんにちは。


連載終了まであとわずか。

1年間よくがんばった妻を労って、優しい夫2度めの登場です。


皆さん、お皿割ったことありますか?

ありますよね。人間生きてればそれくらいの失敗。

では、自分の意志でお皿割ったことありますか?

ついかっとなって…とか、ストレス解消のためとかではなく、

「よし、この皿割るしかない!」って決断を下したこと。

僕はあります。けっこう辛かったです。


先日、店で溜まった洗い物を片付けていたところ、泡まみれの滑りやすいコーヒーの受け皿を

つかみそこね、うっかり流しの中に落としてしまいました。運良くすすぎも最後の方だった

ので、流し内に他の食器はなく割れるという最悪事態にはいたらなかったのですが…。




見てください。見事にハマりました!

この排水口の径を測って合わせて作ったとしか思えないほどピッタリ。

こんなミラクルって案外あるもんですよね。

ま、しかし、見た目ピッタリとは言っても実際はわずかな隙間もあるでしょう。

気を取り直して皿を拾おうとしたところ…。外れません。

爪を立ててみたり、水分を拭ってみたりしましたがビクともしません。

こんな時こそまずは落ち着いてと、余裕をかましてお茶を一服して再度挑戦です。

時間も経ったし、流し内にも目に見えない物理的な変化が起きたかもしれないので、案外簡単

に外れるのでは…などと楽観的に流しに向かう僕をあざ笑うかのように、やはり皿はビクとも

しないのでした。

さぁ、こうなってくると本気(マジ)モードで事態の収拾を考えなければなりません。まずは

冷静に状況を検分してみましょう。

水を流しても流しに溜まらず排水口に流れ落ちていくことから、完全にはまっていると思われ

た皿は、かすかに排水口に対して斜めにはまっていることが判明。

このかすかな隙間を利用して皿を持ち上げる方法を模索する。手近にあるものを見回す。

スプーンの柄→厚すぎて×。爪楊枝→ねじ込もうとしても先が潰れてしまい×。どこかに強力な

吸盤があったはずだ!よし、と思ったがどこにしまってあるのか皆目検討もつかん。

強い力を加えることだけは避けたいと腕を組んで思案していたところ、この様子を遠巻きに

見ていた妻が、「ちょっと浮いてるじゃん。こっちを押せば取れるんじゃない?」と脇から手を

伸ばし、ハマっている皿の端をグイっと…。もちろんびくともしない。続いて何を思ったか

かすかに浮いてる方の端をグイっと押すと!

皿はかすかに動き…ハマりました。さぁ、完全にハマりましたよ。水流れなくなりましたから。




例え強力吸盤が奇跡的に見つかっても、もう吸盤パワーくらいでは外れそうにはありません。

万事休す…と思ったその時、あばれはっちゃくなら「はっちゃけた!」と叫ぶほどの

ひらめきが!

「皿は磁器、流しはステンレス、熱を加えた時の膨張率は異なるはず!」

幸いコーヒーを淹れるため熱湯には事欠かない当店。さっそく沸き立て熱湯を排水口にそっと

注いでみる。が、しかし、当然熱湯は皿と流しに溜まって流れない。つまり、熱くて皿に触れな

いという予想外(!?)の事態が発生。一旦台ふきに熱湯を染み込ませ取り除き(この作業も結構

熱かった)滑り止め付き軍手などを使って外そうとするもやはり動かず。金属の方が膨張率は

大きいに違いないが、もしかしたら皿も一緒に膨張しているのかも知れないと、熱湯をかけ

→ふきんに染み込ませ熱湯を取り除いた後、皿にだけ冷たい水をかけてみたりと、もう何して

るんだか自分でもよくわからなくなりながらも再チャレンジするも案の定、皿はピクリとも

動きません。


なんだかんだで流しと格闘すること小一時間。いくらお客さんの少ない店とはいえ、こんなこと

にこれ以上時間と無駄な労力を費やすのもどうかという結論にいたり、「割る」という最終決断

がくだされたのでした。

これが作家物のカップ&ソーサーだったりしたらこうはいかないわけですが、こんなこともあろ

うかと、店で使用する食器類は手に入りやすく、替えの効く、値段も安いものという選択は間違

いではなかった!まさに不幸中の幸い。


そうと決まれば3階の工房へひとっ走り。せめて割る時には痛い思いをさせず一息にと、大きさ

の割に結構高かった金槌を持って戻り、捨てるつもりの古いふきんをかぶせ心の中で小さく

「すまん!」とつぶやきながら金槌を振り下ろす!が、案外頑丈なメイド・イン・タイランドの

ソーサー、排水口にピッタリはまったことで心なしか強度も増しているようで。

「えいや!」とさらに力を込めて金槌を振り下ろすこと3度目にして「バンんっ」というなんだ

かスカッとしない音と共に皿は粉々になったのでした。




御覧ください。たゆたふさんに金継ぎを頼むのも気が引けるほどのバラバラっぷり。

わたくしめの不注意により道具としての一生を全うすること無くバラバラにされてしまった受け

皿へのせめてもの償いになればと、ことの次第を長々と綴ってまいりましたが、みなさまも

どうか洗い物をするときはお気をつけて。いや、洗い物以外にも意外なあんなものとこんなもの

が何故かサイズぴったりということは往々にして御座いますので、××が○○にはまっちゃって

にっちもさっちもいかないなどということがないようお気をつけくださいませ。


それでは、また来週。

ロバビルからでした。



お皿が排水口にはまってしまう。それで思い出したのは小学生の頃のこと。

近所の駄菓子屋ではまだビンのジュースを販売していて、ビンを返却すると50円とか30円

とか返金してくれる訳で、それが嬉しくて飲みきったビンはすぐさま水ですすいで、駄菓子屋

に返却してゆきます。ある時、なにを思ったか、ビンの口径に指突っ込み、両手にビンをぶら

さげてルンルン返却しに行くとビンが指にはまって、じゃなくて、指がビンにはまってびく

ともしない。駄菓子屋のおばあさん、あれまあ…となり、私はびっくりして家に帰ると父親は

こう言いました。「ああ、これは両方とも指切った方が早いな…母さん、包丁もってこ〜い」

なんてことを呑気に言われ、私更にびっくりし、泣いてしまった。怖くて声もあげずに。

母さんが持ってきてくれたのは、液体洗剤でした。あとはもうわかりますよね?

私の両手は指がしっかりありますし、あれからビンに指をつっこみ抜けないなんてことも

ありません。人は学びます。泣きながらも。 お邪魔しました。名倉



※週刊ロバビルは毎週火曜日の更新となります。



手創り市







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