スポンサーサイト

  • -
  • 2014.02.15 Saturday

一定期間更新がないため広告を表示しています






【お財布のように工房を】最終回


                                     written by ANDADURA 

こんにちは。ANDADURAの山本です。
寂しい事に、今回の記事が最終回となりました。

最終回は「あとがき」です。
たった、6回分の記事にあとがきをつける必要があるのだろうか?
と聞かれたら、「あります。」と答えるだろう。
あとがきを書かないと、僕が落ち着かないからという、個人的な理由ですが、そんな最終回に、
お付き合い頂けたらと思います。

そしてこの記事を書いている現在は5月3日。
工房が出来たのが、3月9日の事だから、かれこれ2ヶ月近く経っている事になる。

そのあいだに、いろんな事があった。
3月9日には、工房祝いと称し、工房完成会をささやかながら開催し、さあ、これからこの工房で
やっていこうと思った矢先に、地震が来た。
3月11日の事…

話はそれるが、益子に引っ越しをして、工房が出来るまで簡易工房で制作し、工房が完成し、
工房での制作の過程で、強く感じた事は、工房というか、さらに大きく仕事場の重要性だった。

とある本で、吉本隆明さんが、良い会社(仕事場)の条件として、
「建物がよい事、お茶が飲めて、心休まる空間がある事」
(細かくは覚えてないが、ニュアンスはあっていると思う)
をあげていた。
その言葉にフムフムとうなづいてしまう。

というのも、簡易工房で制作していて、
「ここで新しいものは作れないな」という危機感を感じていたからだ。

仕事場を大きく定義するならば、
「頭の中のモノを外に出す為の媒体」と言っていいと思う。

例えば、僕が2泊3日の旅行に出かけ、工房に帰ってみると、工房には、ミシンもなにもなくなって
いて、画家のアトリエみたいに、イーゼルから絵の具まで、さらには、裸婦がポージング、挑発的な
眼差しを僕に向けていたとしたら?
僕は絵を描くだろう。

例えば、僕が2泊3日の旅行に出かけ、工房に帰ってみると、工房には、ミシンもなにもなくなって
いて、生徒が30人かそこら集まっていて、教科書を広げ、意欲的な眼差しを僕に向けてたとしたら?
僕は彼らに、何かを教えるだろう。

という事。

「建物がよい事、お茶が飲めて、心休まる空間がある事」
は、頭の中を外に出す為のヒントが隠れている。

「建物がよい事、お茶が飲めて、心休まる空間がある事」とは?
心地の良い環境で、適度にリラックスしている事。それが、頭の中を外に出す秘訣のように思う。

そんな事を考えながら、工房を作っていった。
だから、工房の完成は、ささやかながら祝いたくなる程、嬉しい出来事なのだ。

希望に満ちた予感、部屋の中に心地よい風が吹く。

3月11日に地震が来る。
原発の不安もあり、3月14日に益子を離れ、24日に益子に戻るまでの10日間でいろいろな事を
感じた。確かに未曾有の大災害だけど、そこで感じた事は、今まで感じつづけた事が、拡大したかた
ちとしてよりリアルに目の前に現れたのだと思う。

その時感じた、自分は何をすべきか?という問いは、
ANDADURAを始める時にも、そして始める際の原動力となった気持ちで、
それが、より明確なかたちをもって、感じれた事は、貴重だったと思う。

そして、24日に益子に戻り、工房にただ身を置く事で、少しずつ日常が戻って来た。
それは、工房の力だと思う。

そして、それから、少しずつ実際に工房を使いながら、手を加えたり、機材を入れ、
それに伴いほんの少し配置を変更したりし、今のかたちになっている。

anda049.jpg
▲新しい機材と、配置が変わったテーブル周辺

そして、このかたちも完成ではなく、過渡期として、これからも変化してゆくだろう。

今回はここまでしかお伝えできませんが、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

そして、正直に告白すると、僕は文書を書く事が嫌いではない。
いや、これでは、正直ではないな。

僕は文章を書く事が好きである。(うん、そうだ。)

だから、今回、記事を書かせて頂く機会は、念願の犬を飼った少年が毎日散歩に出かけるように、
心躍る事だった。
記事を書かないか?とのお誘いには、嬉々とした感情を(なぜか)隠しながら、返答した事を覚えている。

最後になりましたが、そんな嬉しいお誘いをして下さったスタッフの方々、
読んで下さった皆さん、
ありがとうございました。
と深々とお礼したいと思います。
もし、この記事を楽しみにしている方が1人でもいたのであれば、それは、とても嬉しい事です。

そして、文章を書くのが嫌いではない(またまたカッコつけて!)僕は、
デビューほやほやのロックミュージシャンの様に、
控え室で「アンコ〜ル」が聞こえて来るのを待っていたりするのである。

ANDADURA 山本祐介
HP http://www.andadura.net/

(END)


彼は文章を書く事が「好き」という。
彼の「好き」からは、モノ・コト・ヒトに対する愛情を感じ、
それを少し離れた益子のANDADURAの事を思い浮かべながらこうして記事を紹介してきた。
とりあえずこれで終わりという事だけれども、必ずアンコールを送りたいと思う。
いや、実はすで送っておりますのでお楽しみに。
ANDADURA山本さんのこれからに、
ご期待を!

編集員名倉
http://www.tezukuriichi.com






TORONTO20110729



from TORONTO
machidasaki 














20110723 KITATODA

 

from KITATODA
湯本佳奈江






手創り市
http://www.tezukuriichi.com





【お財布のように工房を】その6


                                     written by ANDADURA 

こんにちは。ANDADURAの山本です。
今回は少し工房の話を少し離れてみようと思います。
工房への移動によって、生活の場が廊下と呼んでも差し支えない様相を呈してきましたので、
工房の延長線での「部屋をつくる」です。

家のひさしが長く、部屋の中に光が入らず、暗く写真もあまり撮れませんが、
部屋の中を「こんな部屋ですよ!」と公表する事への抵抗感(部屋をつくるなんて自分で
言っておきながら)もあり、シャッタースピード1秒の世界が調度良かったりします。

部屋に手を入れたにも関わらず、部屋の中は、依然、廊下状態ですが、
時間も経ち、「廊下と呼ばれる事もやぶさかではない!」という心持ちが生まれて来たのも正直な所。
ささやかな部屋ずくりですが、ポイントポイントをご紹介してゆこうと思います。


anda043.jpg

これは昔買った額に、近所のガラス屋さんにお願いして、鏡を入れて貰ったもの。
一人暮らしは長いものの、人生初姿見。祝。もう28歳なので、少しは身だしなみには、
気をつけねば、という意気込み。たかが鏡ですが、大きな一歩。

喫茶山本スペース
anda044.jpg

おいしく飲み物を飲む為のスペース。
我が家の飲み物は、ここで作られます。
コーヒー、紅茶に、ココアに日本茶などなど。

ガスコンロ
anda045.jpg

すらりとした足のテーブルを配した、キッチン。
我が家はプロパンガスなのに、コンロは都市ガス用という致命的な欠点はあるが、見てみない
振りで維持されている場所。

小畑さん
anda046.jpg

我が家の畑。小さいスペースながら、愛嬌のある場所。
除草剤をまくのが嫌なので、庭の草むしりと兼ねて、
外での活動の場。小さい畑で小畑さんと呼ぶ事で俄然愛着が…

anda047.jpg

ご飯や、お茶などを楽しむ場所。我が家にはテレビも無く、生活の場には、パソコンも無いので、
本を読んだり、ボーとしたりする場所。
ただいま友人が訪問中ですので、少々ハイテクなテーブル周り。

ねずみトラップ
anda048.jpg

我が家の天井裏は、実写版トムとジェリー。毎日のように、猫がネズミを追っかけています。
おそらくトムとジェリーの作者もこんな環境だったのでは、と想像してしまいます。
毎日ネズミが逃げ切るので、アニメのリアリティーも体験的に裏付け。
そんなネズミの姿をみようと仕掛けた、自作トラップ。まだ、一度もかかった事無し。

と、こんな具合な生活スペース。
工房つくりの延長線での部屋作りと言ったものの、「関係ないな、これ。」という疑念は感じ続ける
ものですので、今回はさらりとこの辺りで、切り上げます。

そして、次回は最終回です。
工房を作りながら思った事、感じた事を、つらつら書いてゆきたいと思います。


手創り市
http://www.tezukuriichi.com






TORONTO20110715



from TORONTO
machidasaki 


toro20110712.jpg

toro20110712_2.jpg

toro20110712_3.jpg

toro20110712_4.jpg


手創り市 
http://www.tezukuriichi.com