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  • 2014.02.15 Saturday

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たゆたう日記(5月31日)




タユタフ http://www.tayutafu.com



蒸し蒸しと、梅雨ですね。

みなさまいかがお過ごしですか。

わたしは先日、大阪にあります国立民族学博物館(みんぱく)に行ってまいりました。

場所は、太陽の塔の背中側にあります。

現在、特別展は「マダガスカル 霧の森のくらし」。

展示場の中央にマダガスカルの木造家屋が展示されていたり(すごくカワイイ!)マダガスカル

の人々のくらしを美しい映像でたっぷりと見ることができます!

おもしろエピソードが随所にキャプションされているのでそれを読むのがまた楽しく、

にやにやしてしまいます。

道具類がかっこよくて、欲しい!とつい思っちゃった。

6月11日までですのでご興味のある方はぜひに。


その後、本館に行ってみましたが、こちらがまた凄いのなんのってさすが博物館!太っ腹!

見るところ多すぎて時間足りなくなってしまいました。

さくさくと見て回るつもりだったんですけど展示されているものひとつひとつが素晴らしいので

とてもさらさら見て流せないよ。さらに、みんぱくの方に「手の届く範囲なら触ってもいいです

よ」と驚きの一言をおっしゃっていただいたので、トーテムポールをなでなでしたり、触られる

ものはぺたんぺたん触ってみたのであった。みんぱく最高。ちょう楽しい!

展示されているのは世界の人々の衣食住などの生活用品や様々な民族文化、また、民芸から宗教

まで古美術品としてみても興味深いものばかり。

「ほ〜」とか「ひゃ〜」という感嘆の声しか最早発することできず、とにかく目の中に入るだけ

目の中に入れておこうとしました。(や、記憶か)

人々のくらしには道具と祈り、神(信仰)の存在が欠かせないものだったのだなと思いました。

世界一周してみた感想です。そして、音楽やおしゃれも。

また、展示の構成がすごく良かった。いろんな要素が交わってつながっていたので、ストンと

ふに落ちたというか、今わたしが辿っていることの答えをいただいたような、そんな感じ

でした。とくに宗教に関してとても勉強になりました。

世界を一周した後、日本を見たらとても独特でした。日本、世界から見たらすごくぶっ飛んで

いるな、と思いました。かっこいい、と思いました。

とにかくあっという間に時間が経ってしまったのでまた訪れたいなと思います。


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衝撃の、エビのかたちしてるポップな棺桶(ガーナ共和国) 


※たゆたう日記は毎週金曜更新となります。







週刊ロバビル・5月28日号


himaar HP  http://himaar.com/


ロバビルから、こんにちは。


先週あたりから急に暑くなって、「店の冷房、つけたほうがいい?」「う〜ん、まだ早いで

しょ」の会話を繰り返している今日このごろです。


気づけば、東京から山口へ引っ越してきてから1年がたっていて、まもなく店のオープンからも

1年になります。

去年の今ごろは、開店に向けて毎日あれこれやっていたなあ、と思い出すけど、遠い昔のことの

ような……。

年齢とともに1年がたつのはあっという間なのに、まだ1年、という感じがするのは、この1年に

いろいろと、今までになくいろいろと、私たちにあったからかもしれません。

そして、これからの1年もまたいろいろと、今までにないことがいろいろと、ありそうな予感。

たのしみです。


しかしながら、2階の自宅にはまだ塗っていない壁が残っているし、3階の工房は“紙”の

カーテンのままだし、「とりあえず、ここに」と置いたものはとりあえずの場所のままだし、

引っ越しから開けていない段ボールもまだある……。

やっぱり1年はあっという間で、このだらしないくらいののんびりさは、今まで通り!?

いい加減に、なんとかしなくちゃね。


以前に書いた“屋上菜園計画”は、柵も何もないただの陸屋根なので「支柱を立てるのがたいへん

だよ」「台風のときに危ないよ」などのアドバイスをもらい、結局、比較的日当たりのよい3階

の通路にコンテナを4つ並べて、まずは小さなスペースから始めてみることになりました。

“屋上菜園”改め、“通路菜園”。


しかも、種から育てるつもりが、店で種を買っていってくれたお客さんと実家の父が「種から苗

にしてあげたよ」と持ってきてくれて。

野菜づくり初心者にはたいへんありがたい!

お客さんからもらった苗がミニトマト、父からもらった苗が別の種類のミニトマトと中玉トマ

ト、そしてバジル。

思いがけず、この夏は3種類の自家栽培トマトをたのしめることになりそう。


キュウリ、ナス、ピーマンの種を買っていってくれたカメラマンのNさんと、収穫したら物々

交換することになっています。

この夏は野菜を買わなくても済む予定。


それでは、また来週。

ロバビルからでした。




※週刊ロバビルは毎週火曜日の更新となります。



手創り市






たゆたう日記(5月24日)




タユタフ http://www.tayutafu.com



お客様からのご質問で多いのが、「どこで仕入れてるんですか」と「いつも何してるんですか」

ということで、今週わたしがなにをしていたかをざっと書いてみました。



5月☆日 5:30  起床

     7:00  家を出る

            仕入れ 

     17:00    お店開ける

            メールの返信、商品の梱包、発送、手入れ(洗ったり乾かしたり)など

   

5月☆日  3:30  起床

     4:30  家を出、高岡へ

       6:00  高岡おもしろ市に行ってみる(年2回開催)

           知合いの骨董屋さんに餅やら焼きそばやら鯛焼きやら御馳走してもらう

             お腹いっぱい

     11:30  雨が降り出した 高岡を出、

     13:00  お店オープン  雨

           雨とお客様が途切れることなく、たのしい1日 

             というか狭い店でたいへんに申し訳なく、なんとかしたいと思う 

  

5月☆日  13:00    お店 

           接客、メールの返信、商品の梱包、発送、撮影、手入れ、金継ぎなど 

           明日の仕入れの為、早めに睡眠 


5月☆日  0:00  起床

     1:00  家を出、大阪へ

           高速道路、工事中で通行止め

           渋滞など

           迷子になる

     6:00    大阪 四天王寺に着、仕入れ

         これは!というようなキラリ光るものはなかったけれどそれなりには買えた

     12:00  四天王寺を出、

     12:20    モッフモフ展を見にいく (@Links gallery大阪北浜

           おたぐちさんのonuiたちも展示されていました

           もっふもふで楽しかったです

           一目惚れした作品をひとつ、連れて帰ることにする

       13:00  国立民族学博物館、着 

           フローズンコーラを食べながら太陽の塔を見る

             マダガスカル展を見る

             本館の展示を見る

            「へ〜!」「ほ〜!」「やばい〜!」を連発、ボキャブラリーなさすぎ、

           というか展示がすばらしすぎて言葉が出ない   

           1日では見きれなかったのでまた行きたい                        

          (このことはまた書こうと思います)                  

     17:00  みんぱくを出、

           混雑していてなかなか大阪から出られない

           迷子になる

           渋滞など

           途中、ICで少し眠る

     23:00  大聖寺(家)着 

           泥のように眠る  


5月☆日   午前    洗濯、掃除、メール返信、発送業務、手入れ、金継ぎなど

           お肌がボロボロなのでパックしてみる


      午後    先日買った大きなガラス戸棚を届けてもらう

          (骨董屋さんが軽トラで運んでくれた)

           お店に設置する 重いものも平気だ

           骨董屋さんが「わしの倉庫見に来い」というので見に行くことにする

           アイスごちそうしてもらう

           好きなもの持っていっていいぞ、持っていけ、と骨董屋さんが言うので

           遠慮なくいただく 

           お店戻る

           三重の相馬舎(古美術)さんが遊びに来てくださった 

           棚の掃除


      夜   「つづる」の締め切りだけど今日はもう無理なので眠ることにする 


5月☆日  6:00  起床 

       7:30  家を出、

       9:00  金沢道具市場へ

           高くて買えない

           高級お弁当をむしゃむしゃして帰る

     14:00  陶芸家の安齋さんの工房へお手伝いに行く

           お皿を一枚チップさせてしまった

     19:00    帰る

           1時間だけ眠ろうと少し横になる

           次の日の朝になっていた


5月☆日  5:00  起床

          「つづる」掲載日、まだ書いてない やばい

     8:00  あまちゃんを見る(はやく書け)

     9:00  ドーン!!!というものすごい音

          2階の洋間のシャンデリア(古い)が落ちた 

          簡易保険の人がやってくる

          電話が鳴る

          パニックに陥る


     10:45  「つづる」送る




※「たゆたう日記」は毎週金曜更新となります。 

手創り市
http://www.tezukuriichi.com
https://twitter.com/kishimojinotori 





週刊ロバビル・5月21日号


himaar HP  http://himaar.com/



ロバビルから、こんにちは。


連載終了まであとわずか。

1年間よくがんばった妻を労って、優しい夫2度めの登場です。


皆さん、お皿割ったことありますか?

ありますよね。人間生きてればそれくらいの失敗。

では、自分の意志でお皿割ったことありますか?

ついかっとなって…とか、ストレス解消のためとかではなく、

「よし、この皿割るしかない!」って決断を下したこと。

僕はあります。けっこう辛かったです。


先日、店で溜まった洗い物を片付けていたところ、泡まみれの滑りやすいコーヒーの受け皿を

つかみそこね、うっかり流しの中に落としてしまいました。運良くすすぎも最後の方だった

ので、流し内に他の食器はなく割れるという最悪事態にはいたらなかったのですが…。




見てください。見事にハマりました!

この排水口の径を測って合わせて作ったとしか思えないほどピッタリ。

こんなミラクルって案外あるもんですよね。

ま、しかし、見た目ピッタリとは言っても実際はわずかな隙間もあるでしょう。

気を取り直して皿を拾おうとしたところ…。外れません。

爪を立ててみたり、水分を拭ってみたりしましたがビクともしません。

こんな時こそまずは落ち着いてと、余裕をかましてお茶を一服して再度挑戦です。

時間も経ったし、流し内にも目に見えない物理的な変化が起きたかもしれないので、案外簡単

に外れるのでは…などと楽観的に流しに向かう僕をあざ笑うかのように、やはり皿はビクとも

しないのでした。

さぁ、こうなってくると本気(マジ)モードで事態の収拾を考えなければなりません。まずは

冷静に状況を検分してみましょう。

水を流しても流しに溜まらず排水口に流れ落ちていくことから、完全にはまっていると思われ

た皿は、かすかに排水口に対して斜めにはまっていることが判明。

このかすかな隙間を利用して皿を持ち上げる方法を模索する。手近にあるものを見回す。

スプーンの柄→厚すぎて×。爪楊枝→ねじ込もうとしても先が潰れてしまい×。どこかに強力な

吸盤があったはずだ!よし、と思ったがどこにしまってあるのか皆目検討もつかん。

強い力を加えることだけは避けたいと腕を組んで思案していたところ、この様子を遠巻きに

見ていた妻が、「ちょっと浮いてるじゃん。こっちを押せば取れるんじゃない?」と脇から手を

伸ばし、ハマっている皿の端をグイっと…。もちろんびくともしない。続いて何を思ったか

かすかに浮いてる方の端をグイっと押すと!

皿はかすかに動き…ハマりました。さぁ、完全にハマりましたよ。水流れなくなりましたから。




例え強力吸盤が奇跡的に見つかっても、もう吸盤パワーくらいでは外れそうにはありません。

万事休す…と思ったその時、あばれはっちゃくなら「はっちゃけた!」と叫ぶほどの

ひらめきが!

「皿は磁器、流しはステンレス、熱を加えた時の膨張率は異なるはず!」

幸いコーヒーを淹れるため熱湯には事欠かない当店。さっそく沸き立て熱湯を排水口にそっと

注いでみる。が、しかし、当然熱湯は皿と流しに溜まって流れない。つまり、熱くて皿に触れな

いという予想外(!?)の事態が発生。一旦台ふきに熱湯を染み込ませ取り除き(この作業も結構

熱かった)滑り止め付き軍手などを使って外そうとするもやはり動かず。金属の方が膨張率は

大きいに違いないが、もしかしたら皿も一緒に膨張しているのかも知れないと、熱湯をかけ

→ふきんに染み込ませ熱湯を取り除いた後、皿にだけ冷たい水をかけてみたりと、もう何して

るんだか自分でもよくわからなくなりながらも再チャレンジするも案の定、皿はピクリとも

動きません。


なんだかんだで流しと格闘すること小一時間。いくらお客さんの少ない店とはいえ、こんなこと

にこれ以上時間と無駄な労力を費やすのもどうかという結論にいたり、「割る」という最終決断

がくだされたのでした。

これが作家物のカップ&ソーサーだったりしたらこうはいかないわけですが、こんなこともあろ

うかと、店で使用する食器類は手に入りやすく、替えの効く、値段も安いものという選択は間違

いではなかった!まさに不幸中の幸い。


そうと決まれば3階の工房へひとっ走り。せめて割る時には痛い思いをさせず一息にと、大きさ

の割に結構高かった金槌を持って戻り、捨てるつもりの古いふきんをかぶせ心の中で小さく

「すまん!」とつぶやきながら金槌を振り下ろす!が、案外頑丈なメイド・イン・タイランドの

ソーサー、排水口にピッタリはまったことで心なしか強度も増しているようで。

「えいや!」とさらに力を込めて金槌を振り下ろすこと3度目にして「バンんっ」というなんだ

かスカッとしない音と共に皿は粉々になったのでした。




御覧ください。たゆたふさんに金継ぎを頼むのも気が引けるほどのバラバラっぷり。

わたくしめの不注意により道具としての一生を全うすること無くバラバラにされてしまった受け

皿へのせめてもの償いになればと、ことの次第を長々と綴ってまいりましたが、みなさまも

どうか洗い物をするときはお気をつけて。いや、洗い物以外にも意外なあんなものとこんなもの

が何故かサイズぴったりということは往々にして御座いますので、××が○○にはまっちゃって

にっちもさっちもいかないなどということがないようお気をつけくださいませ。


それでは、また来週。

ロバビルからでした。



お皿が排水口にはまってしまう。それで思い出したのは小学生の頃のこと。

近所の駄菓子屋ではまだビンのジュースを販売していて、ビンを返却すると50円とか30円

とか返金してくれる訳で、それが嬉しくて飲みきったビンはすぐさま水ですすいで、駄菓子屋

に返却してゆきます。ある時、なにを思ったか、ビンの口径に指突っ込み、両手にビンをぶら

さげてルンルン返却しに行くとビンが指にはまって、じゃなくて、指がビンにはまってびく

ともしない。駄菓子屋のおばあさん、あれまあ…となり、私はびっくりして家に帰ると父親は

こう言いました。「ああ、これは両方とも指切った方が早いな…母さん、包丁もってこ〜い」

なんてことを呑気に言われ、私更にびっくりし、泣いてしまった。怖くて声もあげずに。

母さんが持ってきてくれたのは、液体洗剤でした。あとはもうわかりますよね?

私の両手は指がしっかりありますし、あれからビンに指をつっこみ抜けないなんてことも

ありません。人は学びます。泣きながらも。 お邪魔しました。名倉



※週刊ロバビルは毎週火曜日の更新となります。



手創り市







たゆたう日記・5月17日




タユタフ http://www.tayutafu.com



高校卒業してすぐに美容師を目指していたはずのわたしはある日、親の反対を押し切り東京へ、

ではなくフェリーに乗って北海道へ行きました。

スノーボ−ドをするために山へこもったのです、スノボ三昧のそこでの暮らしは最高に楽しく、

刺激的でありました。

夏は古着屋でアルバイトをしていて、その頃とても流行っていたエアマックスを売りまくり

ました。

ビンテージジーンズもいくつか持ってた。(襤褸好きのルーツでしょうか)


そんなある日、わたしは出会ってしまいました。吸い寄せられるようななにかが、磁力のような

ものがそこにはあったと思います。

見た事のない展示で、それは写真でした。

札幌にあった(今もあるのかな)4プラというビルの中でしたが、その展示のある一角だけが

静かで、とても静かだったのに、ふしぎな物凄い力でもって、わたしはつるつると引き寄せられ

てしまったのです。



牛腸茂雄(ごちょうしげお)。

『self and others』(「自己と他者」)という展示であったと記憶しております。

わたしはその四角い会場と牛腸さんの写真の中をぐるぐる何週したかわからないけれど、

とにかくとても長い時間そこにいました。離れることができなかったのです。

ひとつひとつの作品はとても静謐で、人物を淡々とストレートに写し撮っているだけのようで

あったけど(「コンポラ」写真というそうです)整列されたそのすべてをひとつの作品として

見れば、とても強い力を持ち、わたしを、心を、重く揺さぶってくるのです。

しずかに、時間をかけて。

その場を離れてもなお、わたしは揺さぶられ続けていました。

牛腸さんの写真のことが気になって気になって仕方がないのです。


普通のようであってその写真はどれも異常であったからだと後で気付きます。



牛腸茂雄(ごちょうしげお・1946-1983)写真家。

幼少期に患った胸椎カリエスのため身体的なハンディキャップを負い、36歳の若さで亡くなる

までに4冊の作品集を出版。

1992年4月に季刊誌「deja-vu」で特集が組まれてから牛腸茂雄を再評価する気運が高まり、

1994年未来社から『self and others』が再刊され、2000年にはドキュメンタリー映画が公開

されるなどしています。



牛腸さんの写真は、静かにゆっくりと人々の心へと届き、そして強く強く残るのです。

この展示を見たことで、写真はもとより、わたしが今やっていることでは「連続(反復や整

列)」や「余白」、「間」や「距離」、「集合」など(新しい言葉出てきた)強く影響を受けて

いることは言うまでもないけど、こんなふうに誰かの心を揺さぶることができるような、静かで

強い「もの」をわたしもみなさんに届けられたらいいなぁと思います。

自己と他者。

わたしは「もの」に投影していきます。 


※「たゆたう日記」は毎週金曜更新となります。 

手創り市
http://www.tezukuriichi.com
https://twitter.com/kishimojinotori